学生が人材派遣会社登録する方法
これまで、学生がお金を稼ぐ手段としてはアルバイトが一般的でした。しかし、最近ではバイト感覚で人材派遣会社を利用し、派遣スタッフとして働く人も増えてきています。そこで今回の記事は、学生が人材派遣会社を利用する方法やそのメリット・デメリットなどについて詳しく調べていきたいと思います。
学生が派遣会社に登録するにはどうすればいい?
学生でも社会人でも派遣会社への登録方法は基本的に同じです。派遣登録をしてからスタッフとして仕事を開始するまでの流れを見ていきましょう。
1.派遣会社の公式サイトから「派遣登録会」の予約をする
派遣登録会とは、実際に派遣会社に出向き、派遣スタッフになるための登録を行う会です。事前にサイト上で氏名、住所・電話番号などの連絡先、学歴などを入力して仮登録を行います。
2.派遣登録会へ行く
登録会当日は、「エントリーシート(登録シート)」を記入して、派遣会社への本登録を行います。その後、派遣スタッフとしてのマナーや派遣システムに関しての説明を受け、一般常識・パソコンスキルなどのチェックや担当者との面談を行うのが一般的です。面談の際には、
●希望の仕事内容やスキル
●働ける曜日・時間・日数・通勤距離
●希望時給額
などのヒアリングを行います。
3.仕事の紹介
面談などの結果をもとに、場合によっては登録会当日に仕事の紹介をしてもらえることがあります。しかし、基本的には希望に合う仕事が見つかった場合に派遣会社からメールや電話で連絡が入り、その紹介先が自分の条件に合えば就業開始日などを相談し、仕事を開始するという流れになります。
派遣登録会での注意点は?
学生が派遣登録会に参加する際には、いくつか注意点があります。
持ち物について
履歴書や学生証などの身分証明書・顔写真などの提出が必要な場合があります。ただし、派遣会社によっては、登録会当日にエントリーシートを記載したり、顔写真の撮影を会場で行ったりするため、持参する必要はないというところもあります。事前に電話やメールで確認しておきましょう。
服装について
社会人が派遣登録会に参加する際は、スーツやジャケットなどビジネス仕様の服装が一般的ですが、学生の場合、清潔感のある服装であれば必ずしもスーツを着る必要はありません。
男性ならジーンズではないシンプルなパンツに襟付きのシャツ、女性ならスカートにシャツやカーディガンなどで良いでしょう。トレーナーやTシャツ、派手な柄のシャツなど遊びに行くような服装は当然NGです。
仕事を紹介してもらいに行くという目的を考えれば、髪型・メイク・ネイル・アクセサリー・靴に関しても、おのずとTPOに合ったものを選択できるでしょう。
面談について
派遣登録会は登録説明会などとも言われ、派遣の仕組みや注意点、保険などについての説明があります。また、登録会での面談は、「面接」ではなく希望に合った勤務地や職種を紹介してもらうための相談の場です。
あまり緊張せず、仕事内容や時間の条件などがあればしっかりと自分の勤務希望を伝えましょう。ただし、派遣会社の担当スタッフは、あなたの服装や話し方、対応の仕方などを見て、派遣先の会社に紹介できる人物かどうかを判断していることは間違いありません。礼儀正しい対応を心がけましょう。
学生が派遣登録するメリット
自分の都合に合わせて働ける
派遣の仕事には正社員と違って契約期間があるため、例えば春休みや夏休み、冬休みなどはイベント事が多く、“長期休暇の間だけ”といった働き方が可能です。
仕事を開始する時点で辞める日が決まっているので、予定を立てやすいというメリットもあります。また、登録したからといってすぐに働かなければいけないわけではないため、あらかじめ働きたい時期を指定しておき、その期間のみ紹介を受けることも可能です。
社会勉強ができる
派遣の仕事は、学生のうちに社会勉強をしておきたい人に向いています。学生の間に派遣社員として様々な職場体験をすることは、その後の就職活動においても大変役立ちます。
派遣の仕事を通して自分のやりたいことの発見やできることの可能性が広がったり、わずかでも社会や会社の仕組みを知ったりすることができます。
また、派遣先の社員や派遣スタッフとの交流を通し、社会人としての一般常識を身につけることもできるでしょう。
高時給の仕事ができる
派遣の仕事は、一般的なアルバイトのお給料と比べて時給が高く設定されています。例えば、都心部の場合、アルバイトは800〜900円前後が相場ですが、派遣スタッフですと1,000〜1,500円ほどになります。そのため、生活費や学費を効率良く稼ぎたいという学生さんに人気でおすすめです。
学生が派遣登録するデメリット
仕事内容が限られている
基本的に派遣社員には、これまでの経験や資格・スキルなどを重視し、即戦力になる人材を求めています。そのため、社会人経験がほとんどない学生の場合、紹介してもらえる仕事の内容はすぐに覚えられ実践できるようなものに限られてしまいます。専門性の高い仕事の場合は、企業側も経験者を求めることが多い傾向にあります。
長期の仕事が少ない
社会人と違い、働ける時間が限られている学生の場合、業務は短期のものが中心になります。例えばテレフォンオペレーター、携帯電話などの販売スタッフ、コンサート・花火大会などのイベント系スタッフ、企業の商品をアピールするキャンペーンスタッフ、試験監督などです。長期的にコンスタントに働きたい方は、アルバイトの方が求人数としては多いでしょう。
派遣先に対して学歴の影響はあるのか?
新卒採用の場合、確かに学歴はその人を判断する大きな基準となります。しかし、派遣スタッフとして働く場合に重要視されるのは、経験やスキル、つまり“今どれだけ仕事ができるか”“即戦力になるか”ということです。実際、雇用者側も経験者を求めているケースが多くあります。
そして、それ以前に、派遣会社が派遣先の企業に対して派遣スタッフの履歴書を提出するなど、個人が特定できる情報を提供することは禁止されています。個人情報のある履歴書を派遣先に見せることができるのは、採用が決定した後になります。
以上のことから、派遣先に対しては学歴不問で影響はないと言えるでしょう。
未成年者や高校生でも派遣登録はできるのか?
派遣社員として働く場合は、派遣先の会社自体と契約をするわけではありません。労働契約は、派遣会社と自分自身との間で結ぶという形になります。
結論から言えば、未成年(20歳未満)や高校性であっても派遣登録ができないということはありません。18歳未満の場合は親の承諾が必要ですが、有害業務や風営法に関係しない仕事であればすることができます。
しかし、企業が募集している案件のほとんどが18歳以上で高校生は不可となっています。高校生が応募しても「登録はできるけど、仕事はない」というのが現状です。
なぜなら、18歳未満の場合は労働基準法により、労働時間は週に40時間、1日8時間を超えてはいけない、深夜の労働は禁止といった様々な制約があるからです。また、他にも残業ができないという縛りがあるのも理由です。
一方、大学生であれば年齢的にも立場的にも問題はありませんが、授業やテストなど学校生活の合間を縫って働くことになるため、フルタイム勤務や定期的な勤務は、現実問題難しくなります。
シフト制の仕事もありますが、社会人よりも時間的な制約が大きいため、働ける仕事が限られてしまうことが多いようです。仕事をする場合は、学生だからという甘えは許されません。学校生活と仕事が両立できるよう、自分自身できちんとスケジュール管理しましょう。
また、職種によっては選考が厳しく、20歳未満の方の就業が難しいものもあります。例えば医療事務や大学事務、受付などがこれに当たり、経験やビジネスマナーなどが求められるため、書類選考で落とされることがほとんどです。
学生と社会人とでは、派遣登録で違いはあるのか?
平成24年10月の「労働者派遣法」の改正により、日雇い派遣は原則禁止になりました。日雇い派遣とは労働契約の期間が30日以内のものを指しています。
つまり、“1日のみの単発や短期イベントスタッフ”、“1週間限定のキャンペーンスタッフ”などの短期派遣の仕事は原則禁止ということになります。
しかし、この改正法にはいくつか例外があり、条件を満たす人であれば短期派遣(日雇い派遣)が認められます。その条件の1つに
「雇用保険の適用を受けない学生」
というものがあります。簡単に言えば、社会人は短期派遣(日雇い派遣)の仕事をすることができないが、学生はOKということになります。
ここが、学生と社会人の派遣登録での大きな違いになります。派遣会社によっては給与が日払い可能なところもあります。
学生が派遣登録するのにオススメの人材派遣会社
ここでは、学生にオススメの派遣会社を3つご紹介したいと思います。
リクナビ派遣
日本最大級の求人情報数を誇る派遣サイトです。“学生応援の派遣”という検索項目があるくらい、学生を対象とした求人にも力を入れています。
勤務日が週1日から可能な仕事や、早朝・遅番などが自由に選べる仕事など、時間に制約のある学生でも働きやすい求人を多数扱っているのがポイントです。交通費支給や時給の良い求人が多いのもポイントです。
ヒューマントラスト
こちらも“学生歓迎”の求人特集を組んで扱っています。「1日から」「期間限定」「友達同士で一緒に」できる仕事が豊富にあり、中には1,000名もの大量募集を行っている試験運営スタッフの求人などもあります。
ランスタッド
オランダで設立されたランスタッドは、日本での知名度はあまり高くないですが、実は世界第2位の総合人材サービスの会社です。求人数自体がとても多く、短期の仕事や土日のみの仕事もあります。試験監督・軽作業など学生でも働きやすい求人を見つけることができるでしょう。
まとめ
学生の場合、勤務期間や時間が制限されるため、派遣スタッフとしての仕事の幅は社会人に比べると狭まってしまいます。
しかし、高収入の短期就労ができる、長期休暇など限られた期間で働くことができる、社会経験を積むことで就職活動や自分の将来にとって役に立つなど、学生だからこそのメリットも沢山あります。
学費や生活費を稼ぎたい、旅行をしたい、自由に使えるお金が欲しいという方は、アルバイトだけでなく、派遣スタッフとして働くという選択肢も視野に入れてみてはいかがでしょうか。