主婦が派遣会社登録するにはどうすればいいのか解説
派遣会社に登録するには、独身の人と同様に派遣登録会に参加することが必要です。派遣登録会とは、文字通り派遣会社に自分のプロフィールや経歴を登録する場です。通常、電話やWebサイトで派遣会社に来社の予約をし、予約した日に来社し登録手続きをします。派遣登録の流れは主に次のように進みます。
- 派遣としての働き方の説明
- 指定用紙・またはコンピュータ画面に自分のプロフィールや職歴を入力
- スキルチェック(ビジネスマナーや、コンピュータスキル)
- 派遣会社のコーディネーターとの面談
派遣登録するには、原則として派遣会社へ来社しなければいけませんが、ネットのWeb登録だけで済む派遣会社もあります。この時の本人確認にFaceTime、Skypeなどのビデオ通話を使うことがあります。
※ビデオ通話を使う派遣会社の一例
- リクルートスタッフィング
- テンプスタッフテクノロジー
- アデコ(※仕事によっては説明会必須)
- インテリジェンスの派遣
主婦は昼間、育児や家事で何かと忙しいもの。登録会に参加するとなると、子供をどこかに預けなければいけないので、預け先を探したり、預ける準備をしたりと何かと大変です。大手の派遣会社では、ネットでのオンライン登録(Web登録)のみで手続きを完了させることが可能なので、このような不便を感じません。また、思い立ったらいつでもすぐに自宅で登録できるのも魅力です。
また、登録会へ参加するにしても、Web登録するにしても事前に以下のような資料を用意しておくと便利です。
- 履歴書・職務経歴書
- 給与振込み用の口座番号がわかるもの
- 身分証明書(写真などの画像)
- 証明写真(履歴書サイズのもの)
主婦が派遣登録するメリット
- 登録時の希望条件でソートできるので自分で探すより効率的に早く探せる
- 子供のお迎えや、介護などの時間に合わせた求人を探すことができる
- 扶養内での求人案件や、在宅勤務の求人情報も紹介してもらえる
- パートやアルバイトに比べて時給が高い
- 残業や休日出勤が少ないかまたは無い
- スキルアップのための支援制度やセミナーが充実している
- 給料や就業に関する交渉を派遣会社の営業担当者が代わりにやってくれる
- 人間関係での悩みがあまりない
- 職場が合わなければ契約を更新しないという手段もある
ざっとあげてみてもこれだけあります。その中でもやはり一番注目すべきは、「時給が高い」ことです。地域によって金額に違いはありますが、パートやアルバイトより高いことがほとんどで、場合によっては正社員より収入が多くなることもあります。派遣とは基本的に即戦力として雇用されるので、パートやアルバイトなどの直雇用にありがちな”雇った後育てる”という分の費用をカットできるとされています。
では、経験者だけしかダメなのかというと、そうでもなく、繁忙期の補充要員といった具合で未経験者OKの求人も数多くあります。
また、子供が大きくなったので社会復帰を考える主婦の方もいると思いますが、いきなりフルタイムに戻るのは時間的にも体力的にも大変です。そこで、まずは派遣のお仕事で仕事復帰し、働きやすい環境でリハビリしながら、キャリアアップ、スキルアップを目指す方も多くいいます。
主婦が派遣登録するデメリット
- 雇用が不安定
- 基本的に短期契約の繰り返し
- 賞与・昇給がない
- 交通費の支給がない
- 仕事内容に変化がなく、責任が少ない分やりがいがないことも。
- 派遣先の会社になじみにくい
デメリットとして最大なのは、長く働き続けにくいことです。派遣は基本的に2〜3ヶ月の契約期間が多く、契約を更新する形で継続してお仕事をしていきます。そのため、たとえどれだけ貢献していようと、どれだけ長期で働いていようと、業績の悪化といった会社による都合で、あっさりと契約を切られてしまうことも多々あります。「派遣切り」という言葉が流行ったように、派遣は企業にとって人件費の調整としての役割もあると言われます。
また、責任のある仕事を任されることは少なく、転職や就職活動の時にアピールできる部分が弱くなってしまうかもしれません。
派遣先によっては、派遣と直雇用の職員に対して対応が異なる場合があります。「派遣=外部の人間」という意識を持っている社員も少ないとは言えず、就業してすぐになじめるとも限りません。
主婦パートと派遣スタッフはどっちがいい?
時給で働く主婦の働き方として、パート(アルバイト含む)と派遣の2つがあります。どちらも短時間勤務が可能で子供のお迎えや、介護の時間に合わせて働くことが可能です。
違いは3つ先のメリット・デメリットの部分とも重複しますが、大きく分けて以下のようになります。
派遣 | パート | |
---|---|---|
雇用主 | 派遣会社 | 企業の直雇用 |
時給 | 高め | 低め |
勤務日・勤務時間 | 交渉によるがフルタイムに近いことが多い。扶養内希望の場合、短時間の勤務もあり | 週3〜5日、一日3時間〜などの短時間勤務が多い |
休日出勤・残業 | 基本的になし。あった場合もしっかりと残業代を請求できる | 基本的にないが、場合によって残業(サービス残業を含む)や休日出勤がある |
賞与・手当 | なし | ないことが多い |
社会保険・雇用保険 | 加入できる | 加入できないことが多い |
福利厚生 | 派遣会社の福利厚生を受けられる | 企業によるがパートは対象外ということが多い |
職場の親密度 | 派遣だからと壁を感じることもある | 同じ雇用主であることから仲間意識が強いことが多い |
勤務先でのトラブルなどの対処 | 派遣会社が間に入って交渉・解決してくれる | 自分で解決する |
子連れで派遣登録や派遣先へ行くことはできる?
派遣登録したいけれど、子供の預け先が見つからずに断念…、このような残念な経験をした子育てママは多いのではないでしょうか。
派遣登録会:子ども同伴〇(事前の確認が必要)
国をあげて女性の社会進出を応援する現在では、派遣登録も変わってきていて、大手ならば派遣会社の一部に託児所を用意しているところもあります。事前に派遣会社へ問い合わせて確認をしてください。また、公式サイトで「託児所完備」と記載されていても、来社する前に電話で連絡することが必須です。
派遣先:子ども同伴×
派遣登録の時と違って、派遣先へ子供を連れていくことは基本的にNGです。派遣先は仕事をする場であり、託児などの用意はされていないことがほとんどです。派遣先に出勤する前までには、保育県や託児所など預け先を必ず確保しておきましょう。
子供を迎えに行くために早くあがれる派遣の仕事を探すコツ
子供のお迎えの時間には、仕事をしっかり片付けて心おきなく向かいたいものです。主婦の場合、仕事はもちろん大事ですが、家事育児のための時間も気にしなければいけないので大変です。
子供のお迎えに間に合うような仕事を見つけられるかどうかは、派遣会社の担当者の手にかかっています。最初の派遣登録の際に、コーディネーターに子供のお迎えに間に合うような仕事を希望していることをしっかり伝えて、営業担当者の方にも自分の希望を理解してもらうことが大切です。派遣先にもその旨納得してもらった上での採用となるようにしておきましょう。
また、自分で求人を探す時にも、お迎えに余裕を持てる時間帯を条件に入れて選ぶようにすることが必要です。
派遣会社で働く場合に事前に考えておきたいこと
1)仕事中の服装
勤務する職種にもよりますが、勤務するための服装に予定外の費用がかかることがあります。まずは制服の有無を確認し、もし制服がない場合、どのような服装なのか(スーツ、オフィスカジュアル、自由な普段着、など)聞いてみましょう。
2)子どもが病気の時などの対応
急な休みをとることなく勤務することが一番ですが、お子さんがいる場合どうしても急な体調不良などで仕事を休まざるを得ないことがあります。子どもの預け先はどうするのか、あらかじめいくつか考えておきましょう。地域にもよりますが、選択肢としては、自分自身が休む、親や親せきに頼む、病児保育、ベビーシッター、ファミサポ、などがあります。派遣会社や、地域のサポートがある場合もあるのでどんな制度があるかも確認しましょう。
3)資格取得に向けてのサポート
主婦が社会復帰をする場合、育児や家事との両立が必須となります。その限られた時間の中でより良い条件で働き、ステップアップするためにも資格取得はとても重要だといえます。派遣会社の多くが、資格取得や知識の向上に向けてサポート体制を整えています。自分の目標とする資格をとるためにはどのような仕事をするべきなのかを考えて仕事を探してみると良いでしょう。
4)母子家庭の場合は雇用契約をよりしっかりチェック
母子家庭での場合、配偶者がいる主婦よりも雇用条件の内容が大切になってきます。母子家庭のママは、より多くの収入を必要とするため条件の良い仕事を選ぶ必要があります。雇用条件は派遣会社によっても差があるので、いくつかの派遣会社に登録して内容を比較するのも良いでしょう。もちろん母子家庭でない方も雇用契約書は重要なものなのでしっかり目を通して納得してから契約を交わしてください。
主婦が派遣登録するのにおすすめの人材派遣会社
現在、派遣会社は数多くありますが、その中で主婦におすすめの人材派遣会社は次の4つです。
派遣法改正に伴いできた、優良で信頼のおける事業者として、国が定めた審査に通ったことを証明する制度として、該当する事業者には「優良派遣事業者」として認定されます。今回ご紹介する派遣会社はどれもこの優良派遣事業者の認定を受けているものです。
テンプスタッフ
全国で5万件を超える求人があり、国内に460ヶ所以上の拠点をもちます。お仕事のマッチング度も高く、また担当者に対する満足度も高く質のよいサービスを提供していると言えます。また、スキルアップのための支援制度も充実しているのもポイントです。テンプスタッフ公式サイトには、「ママ支援」というページがあります。ここを見てみると、実際に働いているママの声や、仕事相談、無料のeラーニングなど豊富なコンテンツがいっぱいです。ブランクからの仕事復帰に役立つ情報や、不安解消のための読み物があるのでぜひチェックしてみましょう。
リクルートスタッフィング
月間人材ビジネス2016年5月号で口コミNo.1を獲得しています。大手ならではの求人数の多さで再就職率も高いとされています。条件に合えばベビーシッター割引も使えるので、預け先に困った時には良いと思います。そのほかにも、一定の条件を満たす必要がありますが、育児・介護休業や有給休暇もあり、家庭と仕事の両立がしやすいのも魅力です。仕事情報を見てみると、一般事務やコールセンター、データ入力といった職種も多く、女性向けの案件の数は十分といえそうです。
2015年の派遣法改正に伴い、教育訓練計画(グランドデザイン)によって段階的なスキル・キャリアアップが可能となります。
アデコ
外資系の派遣会社であり、世界に派遣シェアがあります。英語を生かしたお仕事がしたい人や、外資系の会社での仕事経験がある方には魅力的な職種が多いと思います。営業担当者の対応も含む口コミの評価が高く、「所属している派遣会社を友人に紹介したいランキング」で1位を獲得しています。派遣登録して、お仕事が紹介されるのも比較的早く、マッチング率にも定評があります。
パソナ
求人数は業界トップクラスで、求人も大手や優良企業が多く揃っています。トップページには「キャリアママを目指す」という項目もあり、育児ママへのサポートが充実している印象です。eラーニングを含めたオリジナルのキャリア支援研修や講座が多く用意されており、社会復帰を目指す主婦にはおすすめです。ベビーシッター割引もあり、子育てまっただ中でも安心して就業できます。
まとめ
主婦が働こうと思うと、久しぶりの社会復帰で戸惑ったりする気持ちの部分や、周りの理解、子供の預け先といった物理的なことなど、考えていかなければいけないことが多くあります。大変な中でも、仕事を通して社会とつながる時間を持つことで、より毎日が楽しくなったという感想も多く聞かれます。
すべてを完璧に両立させようとすると辛くなるので、ある程度気楽に構えつつ、働き方を考えてみてはいかがでしょうか。派遣として働くと派遣会社の心強いサポートがあるため、正社員やパートよりやりやすい部分も多いのではないかと思います。
ブランクがあるとどうしても不安が付きまといがちですが、派遣会社の相談窓口やサポートを大いに利用しながら、ワーキングママとして充実した日々を送れると良いですね。
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