人材派遣会社へ提出する職務経歴書の書き方
人材派遣会社に登録する際、履歴書と一緒に提出する「職務経歴書」。そもそも職務経歴書とはどんなもので、何のために書くのでしょうか。
ここでは職務経歴書を提出する目的から、効果的な作成の仕方までを詳しくご紹介していきたいと思います。
職務経歴書って何?
職務経歴書とは、今まで自分が経験してきた仕事内容や、どのような実績・成果を上げてきたのかを派遣会社や企業などの応募先にアピールするための書類です。
履歴書にも「職歴欄」がありますが、職務経歴書ではそれよりもより突っ込んだ内容を記載します。
派遣会社は、職務経歴書の内容からあなたにどのような実務能力があるのか、あなたの強みは何かなどを判断します。
特に派遣社員の場合、新卒に比べ学歴よりも、応募者の経験やスキルを重要視して採用を決めるため、履歴書よりもむしろ職務経歴書の内容の方が大切なのです。
派遣会社に提出する職務経歴書の書き方
職務経歴書には大きく分けて、編年体式とキャリア式の2パターンの書き方があります。
「編年体式」とは初めての入社から現在までを古いものから順に時系列で書くもの、「キャリア式」とは、営業や経理事務などの経験職種ごとにまとめるものです。ここでは、一般的に使われる編年体式で、主に記載する項目をご紹介します。
@提出日
A自筆の署名
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B職歴(従事していた期間と会社名・部署名)
C会社の事業内容・資本金・従業員数・売上高など
D職務内容(担当業務の詳しい内容や顧客の人数など)
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Eスキル/資格/表彰経験など(それぞれ別の見出しを立てて記載)
F自己PR(志望動機や熱意・仕事を通じて学んだこと・成長したことや、今後やってみたいことなど)
※職歴が複数ある場合はB〜Dを職歴の数だけ記載します。
例)@、A、B〜D、B〜D、B〜D……EF
さまざまな業務に携わるSEなどの技術職や経験豊富な管理職の方などはキャリア式の方が見やすくなる場合もあります。自分の経験業務や経験職種によって編年体式とキャリア式を使い分けるようにしてください。
職務経歴書に記載すべきポイント
“職務経歴書にはこれをアピールすると効果的”というものをご紹介します。
関連する職種は詳しく
今まで経験してきた業務の中で、これからやりたい職種に関連する情報は特に詳しく記載しましょう。あなたが即戦力になるということをアピールできます。
資格やスキル
希望職種に関連した資格や業務スキルがあれば積極的に記載しましょう。スキルアップするための努力をしていることを印象づけることができます。英語の資格やPCスキルなどはどの業種にも共通して歓迎されますので、忘れず記入しましょう。
契約の更新
派遣社員として働いていた経歴がある方で契約を延長した場合は、必ず記載しましょう。契約が更新されたということは、会社に実務能力が評価され、必要とされたという証拠になります。
自己PR
これまでの経験やスキルとともに、その経験やスキルが希望する職種にどんな風に役立つか、それを使って自分がどんな風に貢献できるかという部分を、自己分析してアピールしましょう。
職務経歴書の書き方でよくあるミスや注意点
職務経歴書を書く際にありがちな、NG項目を押さえておきましょう。
×長い
自分の経歴やキャリアをできるだけアピールしようとして、要点のまとまっていないダラダラとした長い文章を書いてはいけません。箇条書きで、簡潔に、読みやすい文章を心がけましょう。職務経歴書はA4サイズの用紙1〜2枚、多くても3枚にまとめましょう。
×アピールポイントが分からない
これも、職務経験が多い人にありがちなのですが、色々書きすぎて、どこがその人のアピールポイントなのかが分からないというものです。
応募職種やその業界に役立ちそうな経歴は詳しく、あまり関係のないものは簡潔に書くなどして、効果的な職務経歴書を作成しましょう。また、記載すべき内容が多い場合は、希望職種に関係のない資格の記載は必要ありません。
×職歴を省略する
転職回数が多いと不利になるのでは…という考えや、記載事項が多すぎて面倒という理由から職歴を省略するのは絶対にNGです。あとでバレてしまった場合は経歴詐称になり、派遣登録が解除されたり、仕事を紹介してもらえなくなったりする可能性もあります。
×空白スペースが多い
逆に仕事の経験が少なく書くことがないからといって、スカスカの職務経歴書もNGです。希望する職種で活かせそうな経験や、マナー教育や新人教育などを受けた経験、また資格がなくても、これぐらいのことができるといったスキル(パソコンスキルなど)があれば、記載しましょう。
×手書きで書く
履歴書では歓迎されることもある手書きですが、職務経歴書の場合は企業側からは敬遠されがちです。職務経歴書は内容が細かく文字数も多いため、いくら丁寧で綺麗な文字であってもやはり読みにくいからです。職務経歴書はパソコンで横書きが基本です。ただし、署名部分だけは手書きにしましょう。
×誤字・脱字がある/レイアウトがおかしい
入力が終わり見直しをしたら、プリントアウトをしてもう一度確認しましょう。誤字や脱字は致命的なので、可能であれば誰かにチェックしてもらうのがベストです。改行や改ページなどレイアウト1つでも見やすさが全く違ってくるので、そのあたりもしっかり確認しましょう。
×機密事項に触れる
自分の実績や会社への貢献度が分かるよう詳しく書くことは大切ですが、前にいた会社やプロジェクトなどの機密事項に関する内容には決して触れてはいけません。
派遣とアルバイトで職務経歴書に違いはあるか?
派遣会社に提出する職務経歴書には、今まで経験した正社員・契約社員・派遣社員としての経歴は短期・長期に関わらず全て記載する必要があります。
しかし、アルバイトの経験については基本的には記載しません。ただし、高校や大学を卒業したあと就職せずにアルバイトをしていた空白期間のある人や、離職期間が1年以上ある場合は、そのブラン期間にしていたアルバイトを経歴として書いても良いでしょう。
また、職歴やスキルとして書くべきものがあまりない場合、今後の仕事に結びつくようなアルバイト内容であれば書いても構いません。
一方、アルバイト先に提出する職務経歴書の場合、勤務期間が長いものや、今後の仕事に関連するものなどをいくつか記載しましょう。短期(数週間)のアルバイト経験を全て記載する必要はありません。
派遣登録時に職務経歴書が不要なケースとは?
派遣会社に登録するためには、「派遣登録会」に参加する必要があるのですが、職務経歴書不要という場合、この派遣登録会の場でエントリーシート(登録シート)の記載をすることがほとんどです。
エントリーシートには、住所・氏名・電話番号などのほか、学歴・職歴・保有資格名・スキル・職務経歴など、履歴書や職務経歴書と同等の内容を記載するため、当日の持参は必要ないという訳です。
派遣会社としては、職務経歴書を持参してもらった場合、用紙の大きさやフォーマット、記載されている事項がバラバラなため管理しにくいという問題があります。
そこで、統一したフォーマットに必要な項目だけを記載してもらえるエントリーシートを使用しているのです。ただし、会場でスムーズに記載ができるよう、職務経歴書と同等のメモなどを持参した方が賢明でしょう。
職務経歴書は手書きとパソコン作成はどっちがいい?
履歴書は手書きが望ましいとする派遣会社もありますが、職務経歴書の作成方法には、断然パソコンを使うことをオススメします。その理由は以下の通りです。
見やすい
職務経歴書はA4用紙1〜2枚、多くても3枚が適切と言われています。履歴書に比べて記載内容が細かく文字数も多いため、手書きでは非常に読みづらくなってしまいます。
パソコンなら文字の大きさやフォント・行間など、レイアウトを工夫することで読みやすくなりますし、経歴や実績を表やグラフにして分かりやすく表すこともできます。見やすい職務経歴書を作ることは、プレゼン能力のアピール方法にもなります。
何度でも修正できる
職務経歴書は、年次や会社名・業務内容など細かい記載が多いため、書き間違いをすることもあるでしょう。もちろんその場合、斜線や修正ペンでの訂正はできませんので、初めから書き直さなくてはなりません。パソコンなら間違った部分だけを簡単に修正することができるので、間違えた際のダメージもなく、無駄な時間もかかりません。
使い回せる
職務経歴書を手書きした場合、1度提出してしまえば手元には残りません。コピーを残しておいたとしても、コピーをそのまま他社に提出することはできないため、また会社ごとに新たに書き直さなければならないのです。
その点、パソコンで作成したものなら手元にデータが残るので、あとはそれぞれの派遣会社や企業に合わせて必要な部分だけを変えるだけで何度でも使用することができます。
OAスキルをアピールできる
ワードやエクセルを使った見やすい職務経歴書を提出することで、OAスキルをアピールすることができます。逆に、わざわざ手書きで作成するのはパソコンを使う能力がないのではないかと疑われかねません。また、選考に当たって、要領が悪い、効率が悪いというネガティブな印象を与えてしまう可能性もあります。
まとめ
職務経歴書は、転職回数が多い場合はまとめるのが難しく、逆にキャリアが浅い場合はどのようなことを記載したらよいか分からないという大変やっかいなものです。
しかし、アピールポイントを上手に盛り込むことが出来れば、自分を売り込むための最強の武器になることは間違いありません。
書き方や表現方法のテクニックを身につけ、担当者の目に留まるような職務経歴書を作りましょう。