派遣登録に必要な履歴書の書き方
人材派遣会社に登録する際に、提出を求められるものの1つに履歴書があります。人材派遣会社へ提出する履歴書は、応募先企業へ提出するわけではありません。
就職活動と同じような書き方をするのか、それとも独自の書き方が必要なのかが気になるところですね。今回は、人材派遣会社へ提出する履歴書の書き方について説明します。
派遣会社に提出する履歴書の書き方
氏名、性別、生年月日、現住所、連絡先、電話番号、メールアドレス、学歴・職歴、免許・資格、趣味・特技、配偶者の有無、扶養家族の人数など個人情報の項目は、通常の履歴書の記入方法と同じく事実に基づいて記入します。気になるのが、志望動機や本人希望、通勤時間等の記入欄です。
志望動機
あくまでも人材派遣会社へ提出する書類であり、実際に勤務する派遣先へ提出する訳ではないので未記入の人もいるようです。未記入で提出しても特に問題はありません。未記入の人は、登録時の面談で志望動機を訊ねられたら答えられるように、準備をしておけばいいでしょう。
面談時に志望動機を訊ねられて答えが出てこない人や、しっかりアピールしたいと考えている人であれば、志望動機を記入しておくといいでしょう。その際の書き方として「なぜ希望する職種に就きたいのか?」「なぜこの派遣会社を選んだのか?」に重点を置いて書くと、自身の志望動機が伝わりやすいです。
例文として、「過去に〇年事務職種に就いていたのでその経験を活かしたい」「販売職の派遣求人取り扱いが多い〇〇派遣会社で希望の仕事を見つけて経験を積みたい」といった書き方があります。
「なぜ派遣で働きたいのか」という志望動機よりも、自身の経験やスキル、熱意、やる気などの自己PRの場として志望動機欄を活用するのがベストです。
本人希望
本人希望については、面談時に採用担当者がヒアリングをしてくれますが、伝え漏れが無いように履歴書に具体的に書いておくといいでしょう。
希望職種(希望の仕事内容)、勤務開始可能日(在職中なら退職予定日)、希望時給、正社員を目指したい人は紹介予定派遣を希望する旨等を記入します。ただし、紹介予定派遣でも正社員ではなく、契約社員という雇用形態での採用になることもあることは、頭に入れておいた方がいいでしょう。
注意点として、余りにも細かく希望を書き過ぎると、紹介して貰える仕事の幅を狭めてしまう事になり、なかなか派遣の仕事を紹介して貰えない可能性もあります。
また、志望理由に比べて志望先の本人希望の条件が多いと、イメージが良くありません。必要最低限押さえておきたい希望を記入しましょう。
通勤時間
通勤時間欄は基本的に空白で問題ありません。現段階でどの仕事先に派遣されるのかが分からないので、書きようがないからです。希望の通勤時間がある場合は、本人希望欄に記入するか、空欄にしておき面談時のヒアリングで伝えておくといいでしょう。
派遣で働いた期間の履歴書書き方
過去に派遣で働いた経験がある人は、その期間を職歴として履歴書に書く事になりますが、派遣の場合、短期間でさまざまな派遣先を経験している人や、色んな派遣会社に登録して派遣社員として働いている人も多いです。派遣で働いた期間は、履歴書にどのようにして気記入すればいいのでしょうか。
派遣先の会社名は伏せる
有名企業や大手企業に派遣された経験があると、ついつい履歴書に派遣先の会社名を書きたくなりますが、機密情報保持の契約がされている場合は、派遣先の会社名や企業名は書いてはいけないので注意して下さい。こういった場合は、経験職種(商社・金融・IT等)を記入するといいでしょう。
<職歴記入例>
平成〇年〇月 A人材派遣会社に登録
平成〇年〇月 ハウスメーカーの経理部で派遣社員として経理事務を担当
平成〇年〇月 契約期間満了にて退職
派遣会社ごとにまとめて記入
登録した派遣会社ごとにまとめて記入パターンは、時系列も分かりやすく見やすいです。
<職歴記入例>
平成〇年〇月 A人材派遣会社に登録し、以下の2社に派遣社員として勤務
平成〇年〇月 ハウスメーカー 経理部にて経理事務担当(平成〇年〇月〇日まで)
平成〇年〇月 総合商社 総務部にて総務事務担当(平成〇年〇月〇日まで)
平成〇年〇月 A人材派遣会社との契約期間満了
平成〇年〇月 B人材派遣会社に登録
平成〇年〇月 不動産会社にて一般事務担当(平成〇年〇月〇日まで)
平成〇年〇月 B人材派遣会社との契約期間満了
派遣先が多い場合は
派遣の場合、長期案件から短期案件までさまざまな契約期間があり、人によっては派遣先の数が膨大になる事もあります。そんな時は、職務経歴書に詳しく職歴を記載します。
<職歴記入例>
平成〇年〇月 A人材派遣会社に登録
平成〇年〇月 ハウスメーカー 経理部にて経理事務担当(平成〇年〇月〇日まで)
平成〇年〇月 総合商社 管理部にて管理事務担当(平成〇年〇月〇日まで)
他、短期間の就業内容は別紙「職務経歴書」に記載しています。
平成〇年〇月 A人材派遣会社との契約期間満了
長期で勤務した派遣先のみを履歴書に記載し、その他の短期で勤務した派遣先は職務経歴書に記載します。そうすることで、履歴書の職歴欄にも分かりやすく記載出来ますし、限られた欄内に職歴を収める事が出来ます。
★派遣で働いた期間の履歴書書き方は、いかに欄内に分かりやすく・見やすく記載するかがポイントです。欄内に書ききれない場合は、職務経歴書を利用して職歴に漏れがないようにします。
アルバイトやパート経験しかない場合の履歴書の書き方
今までアルバイトやパートしか経験がない人が派遣登録をする場合は、アルバイト経験などを積極的に記入します。但し、アルバイトとして勤務したことが分かるように記入をしなくてはいけないので注意しましょう。
<例>
平成〇年〇月 株式会社〇〇アルバイトとして入社
平成〇年〇月 株式会社〇〇退職
また、アルバイト経験が少ないと職歴欄の空白が目立ってしまうので、業務内容を記入して経験をアピールするのもいいでしょう。
<例>
平成〇年〇月 株式会社〇〇アルバイトとして入社
接客・売上管理・在庫管理を担当
平成〇年〇月 株式会社〇〇退職
派遣登録時に履歴書不要なケースとは?
派遣会社の登録を検討していると、履歴書を不要としている派遣会社があります。履歴書を書かなくて済むので楽ですが、働くのに必要な履歴書を不要としている派遣会社って大丈夫なの?と不安な気持ちにもなります。どういった場合、派遣登録時に履歴書が不要なのでしょうか。
派遣会社独自のフォーマットが用意してあるケース
登録会や面談の前に、派遣会社が独自で用意した登録用紙やシステムに記入・入力する場合は履歴書を不要としています。
学歴や職歴をあまり問わない職種を取り扱っているケース
軽作業やイベントスタッフといった単発や短期の派遣は、経験を不問としている求人も多いので学歴や職歴等もあまり重視しない場合があります。こういった業種の派遣登録を行う際は、履歴書が不要なケースがあります。
派遣登録でも送付状は必要なのか?
ビジネスマナーとしては、書類を送る際に送付状を添付するのは常識な事です。派遣登録の為に履歴書を郵送する時も、送付状を同封しておくと第一印象が良くなるので添付しましょう。
派遣会社の担当者に「ビジネスマナーのある人」だと認識して貰えます。面倒だと思わずに、送付状と共に履歴書を送るようにして下さい。
送付状には、日付・簡潔な挨拶文・送付書類の内容は最低限記載しておきましょう。
派遣とアルバイトで履歴書に違いはあるか?
派遣もアルバイトも働くことに違いはありませんが、派遣登録をする際に提出する履歴書と、アルバイトの面接に持参する履歴書には何か違いがあるのでしょうか。双方の履歴書を比較してみました。
<派遣とアルバイトの履歴書内容>
派遣 | アルバイト | |
---|---|---|
写真 | スーツが良い | 清潔感のある私服・髪型 |
職務経歴書 | 必要な場合が多い | 不要な場合が多い |
志望動機 | 志望する職種に関することや派遣会社を選んだ理由等の内容 | なぜこの会社や店で働きたいのかという内容 |
本人希望 | 希望職種・希望時給、正社員を目指したい人は紹介予定派遣を希望していること等 | 希望職種・希望シフト曜日や日数・希望時間帯等 |
通勤時間 | 記入しない | 自宅からアルバイト先までの時間を記入 |
アルバイトは、勤務先であるアルバイト先に志望動機をアピールしたり、本人希望を履歴書で提示したりするのに対し、派遣は勤務先ではなく登録する派遣会社に履歴書を提出するという大きな違いがあります。
ですが、派遣とアルバイトの履歴書に記入する内容には、特別大きな差はありません。但し、スーツを着用した証明写真の貼付や職務経歴書の提出が求められる等、派遣ではビジネスマナーが求められるのが注意点です。
一方、アルバイトは私服での証明写真も可能ですし、職務経歴書が必須という訳でもないのでカジュアルな印象があります。
履歴書は手書きとパソコン作成ではどっちがいい?
最近はパソコンで簡単に履歴書が作成出来るようになりました。しかし、従来通り手書きの方がいいのか悩む人も多いのではないでしょうか。
派遣会社側としては、手書きでもパソコン作成でもどちらでもいいとしている会社が殆どなので、どちらにすべきかあまり気にしなくて良さそうです。
手書きの履歴書とパソコン作成の履歴書のメリットを紹介するので、手書きかパソコン作成か、どちらが自分にとってプラスになるのかを参考にしてみて下さい。
手書き履歴書のメリット
- 書き方で人柄をアピールできる
- 綺麗な字を書く能力をアピールすることができる
- 熱意を伝えることができる
パソコン作成のメリット
- 履歴書作成時間の大幅短縮
- 文字が均一なので見やすい
- パソコンスキルの証明ができる
- 間違えてもすぐに修正ができる
- 履歴書を購入する必要がない
- データ管理が可能
- 記入日や志望動機などを変更すれば、使いまわしが可能
総括
就職やアルバイトの時に提出する履歴書は、志望企業に履歴書を提出する事になりますが、派遣の場合は登録する人材派遣会社に提出します。従って、派遣登録時に提出する履歴書は一般的な履歴書の書き方とは少し異なる内容になります。
ですが、自分をアピールするという点においては、直接雇用も派遣も同じなので特に難しく考える必要はありません。
自分を履歴書で最大限アピール出来るように、誤字・脱字や記入漏れに気を付けて、空白が目立たないように丁寧に履歴書を用意しましょう。
派遣の仕事を紹介してくれるのは、登録する人材派遣会社の人事担当者です。たかが履歴書かもしれませんが、担当者は履歴書からその人の人柄やビジネスマナーの有無を読み取っている可能性もあります。仕事の紹介に繋げる為にも、好印象を与える履歴書作成を心掛けて下さい。