派遣登録説明会で行うスキルチェック内容
派遣登録の際に行われるスキルチェックですが、初めて派遣登録会に行く人には、スキルチェックでどんなことが行われているのかが分かりません。
一体、派遣登録説明会ではどんなスキルチェックが行われているのでしょうか。派遣登録説明会で行うスキルチェックについて詳しく紹介します。
派遣登録説明会で行うスキルチェックの目的
スキルチェックの内容は、派遣会社や希望職種によって異なりますが、派遣会社の多くが登録説明会にスキルチェックを導入しています。なぜ派遣登録説明会でスキルチェックを行うのでしょうか。
例えば、パソコン操作が可能だと自己申告をしてもレベルは人それぞれです。入力しか出来ない人もいれば、関数やマクロ機能が使いこなせる人まで実にさまざまです。
実務経験者でもブランクがある場合もあります。スキルチェックを行うことで、実際にどの程度のレベルのスキルがあるのか、現状のスキルを確認することが出来ます。
また、希望する職種に対して適性があるのかを、就職前にスキルチェックではかることも可能です。
派遣登録説明会でスキルチェックを行うのは、登録者の能力や適性を把握して、適切な仕事紹介を行うことを目的としています。
派遣登録説明会で行うスキルチェックの方法
パソコンを使って、ひとりで問題に回答していく方法で行われることがほとんどです。派遣の担当スタッフとの面接でもビジネスマナーなどは見られますが、スキルチェックはパソコン作業によって行うことが一般的です。
派遣登録説明会で行う一般常識テスト内容
以前はあまり導入されていなかった一般常識テストですが、ゆとり世代などの若い人たちの中には一般常識を持ち合わせていない人たちが一部おり、仕事をする上で不都合が生じることから一般常識テストを実施する派遣会社が増加傾向にあります。一般常識テストの内容は以下の通りです。
計算問題
暗算で行える、それほど難しくない2桁の計算問題が出題されます。
漢字テスト
漢字の読み書きテストです。派遣会社によって、小学生レベルの内容から、ビジネス用語に関する漢字、四文字熟語や地名を読み書きする内容まで難易度はさまざまです。普段から本や新聞を読んでいれば問題はないでしょう。
一般常識問題
義務教育を受けていれば答えられるような、知識や教養に関するテストです。首都や県庁所在地、簡単な英語の意味、英語の略称(TPPとは?PTSDとは?など)、作家と作品名、時事問題、政治・経済に関する問題が主です。3択や4択形式で出題されることが多いです。
派遣登録説明会で行うビジネスマナーチェック内容
派遣会社はさまざまなスキルチェックを行っていますが、その中でも仕事をする上で必要なビジネスマナーやルール、国語力など社会人として必要最低限必要な知識などをチェックすることを目的としているのが、ビジネスマナーチェックです。ビジネスマナーチェックの内容は以下の通りです。
チェック内容 | |
---|---|
電話応対 | 正しい電話の受け方、担当者への取次、電話応対で使用する言葉、FAXの送り方など |
服装 | ビジネスシーンにふさわしい服装や身だしなみについて |
封筒・手紙の書き方 | 宛名、頭語・結語、時候の挨拶、手紙の構成など |
ビジネス文書の書き方 | 送付状、納品書、請求書、クレーム文書、謝罪文書、お祝い状、お礼状など、さまざまなビジネス文書の書き方について |
ビジネスメールの作成方法 | メールの書き方、ビジネスメールのマナーなど |
敬語の使い方 | ビジネス文書やビジネス会話で用いられる敬語について |
コンプライアンスについて | 機密事項の取扱い方法、個人情報の取扱い、セクハラ、パワハラ、違反例など |
基本のビジネスマナー | 名刺交換のしかた、お茶の出し方、冠婚葬祭、社内外での呼称、遅刻・早退・欠勤のマナーなど |
会社勤務の経験があれば難なく答えられますが、自信がない人は事前にビジネスマナーに関する書籍などで復習しておくと良いでしょう。
派遣登録説明会で行うパソコンスキルチェック内容
希望する職種によっては、パソコンスキルチェックが行われない場合もありますが、オフィス系やデータ入力などのパソコンスキルが必要な職種を希望する場合は、必ずパソコンスキルチェックが行われます。パソコンスキルチェックの内容は以下の通りです。
パソコンの基本スキルチェック
パソコンの操作スピードやタイピング速度(文字入力・テンキー入力など)、ファイルの保存、フォルダの管理、圧縮・解凍の操作など、パソコンの基本操作についてチェックします。
ワード
書式設定、文章入力、表やグラフの挿入、画像の挿入、印刷設定、図形の編集など、ワードの操作方法についてチェックします。
エクセル
表の作成、四則演算、印刷設定、計算式の設定、セル・シートの設定、グラフの作成、データの並べ替え、関数など、エクセルの操作方法についてチェックします。
パワーポイント
書式設定、スライド挿入、デザイン・レイアウト・アニメーション変更、企画書作成、スライドショー作成など、パワーポイントの操作方法についてチェックします。アクセス
テーブル入力、クエリー作成、リレーションシップ設定、レポート、フォーム作成、マクロなど、アクセスの操作方法についてチェックします。
派遣の登録説明会で行われているパソコンスキルチェックは、主に文字入力やテンキー入力スピード、業務で多用されているワードとエクセルです。
ワードやエクセルの内容は初級編〜中級編であることが多く、通常は上級の内容までは出題されません。パワーポイントやアクセスは必須ではなく、経験者のみがスキルチェックを受けることが多いようです。
インターネット上の無料練習サイトやタイピングソフトによるタイピング練習や、OAスキルチェックが出来るサイトの利用、自宅のパソコンのワード・エクセルなどでの予習や予行練習をしておくことをオススメします。
そういった準備をしておけば、いつもと違った環境で行われる、当日のパソコンスキルチェックに気持ちを落ち着けて挑むことが出来ます。
パソコンスキルチェックは、あくまでもパソコンのスキルがどの程度あるのかを判断する為に行われるものです。チェック項目全てがクリア出来なくても問題はありません。
派遣登録するうえで持っていると有利とされるスキルや資格
派遣登録をする人の中には、さまざまな経歴や資格を持っている人がいます。
未経験で資格が無い人に比べると、経歴や資格がある人は派遣会社から仕事が紹介されやすく、他社競合時にも仕事が決まりやすいなど、有利に働くことが多いです。
では、一体どんなスキルや資格を持っていれば就業に有利なのでしょうか。有利とされているスキルや資格を職種ごとに紹介します。
事務系
■MOS検定マイクロソフトオフィススペシャリスト
マイクロソフトオフィスのエクセル、ワード、パワーポイントなどのパソコンスキルが身についているか、実践力を証明する資格です。マイクロソフト社のオフィス製品が操作出来ることが証明出来るので、事務経験が無い人なら取得しておきたい資格の1つです。
■簿記2級
経理事務は、経験者が非常に優遇される職種の1つです。更に、簿記2級以上の資格を持っていると採用されやすい傾向にあります。また、経理事務未経験者でも、採用条件に簿記の有資格者を求める派遣先もあります。資格取得までに多少の時間は掛かりますが、経理事務の派遣を目指す人なら取得しておいても損はない資格です。
■TOEIC(ビジネス英語検定)
990点満点中、ビジネスに必要なスコアは500点以上と言われています。
点数 | 仕事内容 | 職種 |
---|---|---|
500点以上 | 海外からの電話取次、英文書類の事務処理など | OA事務・アシスタントなど |
600点以上 | 海外取引に関する受注データ管理、貿易関連書類作成、海外とのメールやり取りなど | 英文事務・貿易事務・海外営業事務など |
700点以上 | 貿易業務実務、海外本社との電話・メールコレポン、英文資料のデータ分析、資料作成など | 英文事務・貿易事務・海外営業事務など |
800点以上 | 外国人上司付き秘書、英文文書の読解、通訳、翻訳 | セクレタリー、英文事務、貿易事務、海外営業事務など |
外資系企業だけでなく、近年グローバル化が著しい日本企業においても英語が出来る人材は重宝されています。
少しでも海外と接点がある派遣先の場合、TOEICのスコアによっては大変有利に働くので、英語が得意な人はぜひ検定を受けてみて下さい。
また、英文事務や貿易事務、外資系企業を目指す人にもTOEICのハイスコアは非常に有利だと言えます。
留学経験がありそれを生かしたい場合でも、留学経験だけだと自分の英語能力を証明するものにはなりませんので、ぜひTOEICは取っておきましょう。
販売・接客系
未経験からでもチャレンジしやすい販売・接客系の派遣ですが、ハイブランドなどは大変人気が高く競争率も高いです。販売や接客系を仕事先とする派遣で有利になる資格は以下の通りです。
- 販売士(3級:販売スタッフ・売り場担当程度、2級:主任・課長クラス)
- カラーコーディネーター
- 秘書検定
- サービス接遇検定
- TOEIC
IT・エンジニア系
IT業界においては、資格よりも実務経験が重視されるので、資格があるからといって有利に働くとは言えないようです。
IT・エンジニア系の派遣は、資格取得を通じて身に着けた知識よりも、資格取得に至るまでの経験や動機、過程などを評価します。
資格よりもスキル重視の職種だと言えますが、IT・エンジニア系で役立つ資格は以下の通りです。
職種 | 資格 |
---|---|
システム開発系 |
・応用情報技術者<国家資格> ・プロジェクトマネジメントプロフェッショナル(PMP)等 |
ネットワーク・サーバ系 |
・CCNA<国際資格>・CCNP<国際資格> ・ネットワークスペシャリスト<国家資格> ・マイクロソフト技術者認定(MCP・MCSE等)等 |
運用サポート系 |
・ITパスポート<国家資格> ・基本情報技術者<国家資格>等 |
介護
人材不足の介護職は、無資格・未経験でも働くことが出来る職種ですが、より良い条件で働く為にもスキルや資格はあるに越したことはありません。特に持っていると有利な資格は以下の通りです。
- 介護福祉実務者研修
- 介護福祉士(国家資格)
- 自動車運転免許
総括
派遣登録説明会で導入されているスキルチェックは、主にオフィス系職種の派遣を希望する場合に行われています。
スキルチェックは、社会人経験がある人や事務仕事などのオフィスワークの経験がある人には、そこまで難しい内容ではありません。
今回紹介したスキルチェック内容に不安がある人は、派遣登録説明会の前に、WEB上にある無料スキルチェックサイトや書籍などを利用して、予習や練習をしておくといいでしょう。
また、職種によっては、今回紹介したスキルチェック以外の内容が実施される可能性もあるので、派遣会社にどのようなスキルチェックが行われるのかを確認しておきましょう。
注意したいのが、スキルチェックは試験ではなく、その成績が全てではないということです。思うようにいかなかったとしても合格などの基準はないため、悲観する必要はありません。
派遣会社は、経験やスキル、資格、人柄などを総合的に見て適性を判断し、仕事のマッチングや紹介を行っています。
担当者との面談でもコミュニケーション能力や一般常識を見られますので、初めて派遣の登録説明会に行く人は緊張するかと思いますが、あまり気負わず、自分の実力を試すつもりでスキルチェックを受けて下さい。